コラム

【脱!質問ベタ】エンジニアに向けた質問の6つのコツ

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一般的に、エンジニアという職業は「コンピュータや機械相手に黙々と作業をする職業」と思われることが少なくありません。
これからエンジニアになる人、なりたいと思っている人達ですら、そのようなイメージを持ってるのではないかと思います。

ところが、実際エンジニアになってみると、人とのコミュニケーションがとても重要で、必須のスキルだと気づくことでしょう。

コミュニケーションの相手は同じ会社の上司や部下、同僚、クライアントや委託先。他にも勉強会で会うエンジニアの方々など、エンジニアとして生きていくと自然に多くの方と話す機会が訪れます。

もともとコンピュータの扱いが得意でエンジニアになった人は、コミュニケーションの意外な多さに不安や苦手意識を感じることもあるでしょう。

それでも仕事をする上では、何かわからないことが出てくるというのはごく普通のこと。直面した問題に対して、調べたり、質問したりして解決し、自分の知識として蓄積していくことが重要です。

その中でも「上位の人に対する質問」は自分の成長の意味において最重要。あなたより時給の高い相手に同じ時間を割いてもらって答えを得る必要があり、あなたの責任も比較的大きいコミュニケーションです。

しかし避けては通れません。
どのような質問をすれば、相手にとってわかりやすく、自分にとっても価値の高い回答が得られるのでしょうか? 仕事上のコミュニケーションを円滑にする上での質問に対する考え方と質問方法を合計5つ、紹介します。

質問をする前に

相手の時間を奪わないよう意識する

質問に答えていただける相手の時間を無駄に奪わないことが重要です。

これはエンジニアに限りませんが、時間は有限で、それぞれ仕事をこなし、自分の時間を生きています。相手の時間を奪うことは相手にとってその分の負担になってしまいます。

すなわち、自分で解決できることは自分で解決できることに越したことはないのです。そのため、まずは自分で調べてみましょう。

自分で調べてみる

ただし、調べることに時間を掛けすぎていては結局のところ「自分の時間」を無駄にしている状態です。どのくらいの時間調べてみるか決めて、だめだったら質問すると決めておきましょう。

たとえばプログラムにエラーが出た場合。
「エラーが出た」→「すぐ質問する」とした場合、解決までの時間は短縮されるかもしれません。
しかし、それではあなた自身の問題解決能力が育たないだけでなく、質問する相手の時間も必要以上に消費されてしまいます。

自分でエラー文章を読んだり、エラー文を検索すれば、解決方法がわかることも少なくありません。 そのためまず、調べたらわかるのか、全くわからないため聞くしかないのか判断することが必要です。

同じ質問をしない

更にいえば、このとき質問した相手から「答え」だけ教えてもらって、「エラーが直った!これで先に進める!」と満足してしまうと、また同じ様な問題が起きた際に、同じ質問をぶつけることになります。

せめて、問題が解決した後に「何が問題だったのでしょうか?」「どうすればよかったのでしょうか?」と納得出来るまで質問や調査をして、同じ質問をしないよう心がけましょう。

時間のない人に対して、同じ質問を何度もするのはタブーです。彼らは同じ人に同じことを繰り返し説明することを嫌います。

このポイントに付いては、2.質問をした後に にも記述してありますので、読んでみてください。

質問相手に時間を老視させないために

相手の時間を浪費させないために、下記を特に意識してみましょう。

  • 最低限は自分で調べて置く
  • 今後同じ質問をしないよう回答をよく理解する

目的を明確にする

誰かに質問する前に、「何を回答として得たいのか」をよく確認しましょう。

エラーが出て解決できないのであれば「エラーの修正方法」
プログラムの実装で行き詰まった場合は「次に何をすればよいのか」など。

まずは目的を自分の中で明確にして置く必要があります。

ほしい回答は最初に伝える

そして、質問をするときに、まずいちばん最初に「ほしい回答」を伝えましょう。 

そうすることで、自分も話のゴールを見失いづらいし、相手も何を聞き、何を答えればいいのか明確になり、あなたの話を聞きやすくなります。

例えば、「○○な機能を実装しようとしてコードを書いたのですが…」と話し始めても、

  • エラーが出たのか出てないのか
  • エラーが出てその後自力解決した報告なのか
  • エラーが解決できてないから見てほしいのか
  • 自分の仕事の手を止めてヘルプに入ったほうがいいのか
  • コードのレビューが聞きたいだけなのか

など、いろんな質問が想定されてしまうため、何に注意して話を聞けば良いのかわからず、また最後の一言まで相手が何を答えていいのかわかりません。
質問を一通りした後に、相手から逆質問があったり、繰り返し質問を求められたりする場合この様な状態に陥っている可能性が高いです。

あなたの質問の中で「どこが重要なのか」は、あなたより質問相手のほうが詳しいはずです。あなたが長々と状況を説明するより、最初に結論だけ与えてしまえば相手から重要な部分を聞いてきたりその説明は聞く意味がないと判断してもらうこともできます。

冷たい印象を持つかもしれませんが、要は、最初にゴールを伝えておくことで、会話の途中でも質問相手がゴールに向けてナビゲートしてくれるのです。

話を遮られてムッとするかもしれませんが、仕事の効率を考えれば、合理的です。問題解決に必要な情報を端的に伝え、速やかに業務を進めることが優秀なエンジニアの仕事です。

質問のいちばん最初にあなたがほしい回答を伝えることで、まずは質問相手と会話のゴールを共有しましょう。

状況を明確にする

質問をするときにとても重要な要素が状況を整理して伝えることです。
現状を整理できなければ、相手も何を回答してよいのかわかりません。

下記の要素を意識して、正しい情報を相手に伝えましょう。

推測でなく事実を伝える

まず、簡単なケーススタディーです。

あなたは今月スマホの使いすぎで、初めて通信制限を掛けられてしまい、スマホのあまりの重さにうんざりしていました。

そして、あなたがあるSNSを利用しているとき、「スマホからコメントしたけど反映されない現象」が発生したとします。
コメントは普段は反映されるので、反映されない経験は初めてでした。

このとき、「スマホからコメントしたけど反映されない現象」の原因は何でしょうか?

..「通信制限がかかっていたこと」が原因だと思いますよね。
一見すると誰の目にもそう見えます。

ただし、今回の場合「まだ原因を断定することはできない」が正解なのです。

人は異なる2つの珍しい現象が同時に起こると関連付けてしまいがちですが、今回の場合、下記の様な可能性を否定する事実が得られていません。

  • ただ通信制限に慣れてなく、もう少し待てばコメントで正しく反映されるかもしれない
  • 待ってる間に余計な操作をしたのかもしれない
  • SNS側で何らかエラーが出ていたのかもしれない

上述の様な可能性を検討するため、まずは

  • 通信制限になる前(前日など)い同じ問題は出ていなかったか
  • 通信制限にかかっている状態でもう一度同じ操作をしても問題が再現するか

など確認していく必要があります。

今回の例様に確認してないことを勝手に関連付けて、自分の中に間違った論理を持ってしまうと、報告するときに間違った回答をもらってしまったり、目上の人が本当にそれが原因なのか確認することになってしまい多大な時間を割くことになるなど、大きなリスクがあり得ます。

どんな不測の事態においても、

  1. 問題の原因としてありえる原因候補を洗い出す
  2. 検証、分析によって、それぞれの原因候補が関係していた可能性を潰していく
  3. 残った要素を整理して、今回のシナリオを正しく認識する

といった工程を実践して、事実を把握する事が大切です。

指示語(あれ、これ等)を使わない

質問をする際にあれ、これ、それなどの指示語を使ってはいけません

これには2つ理由があります。
1つ目は自己理解を深めること。2つ目が両者の勘違いを防ぐことです。

例えば仕事としてプログラミングを始めたばかりのエンジニアの場合、理解しきれていない単語が多いため、自信がない言葉は使用することを避け指示語を使ってしまいがちです。

しかしそれでは、上司などの質問相手に「あ、なんとなく理解できてそうだな」と想定されたまま話を進められてしまい、あなたが理解できる範囲を超えた指示や回答を渡されてしまうでしょう。
結局、相手の話が終わった後、あなたは話が理解できていなかった事を正直に白状するか、質問する前より多くの理解していない物事と格闘する事になってしまうのです。

そして、後でまた質問に来るあなたに対して、質問相手はきっとこう思うでしょう
「なんでさっき正直にわからないと言ってくれなかったんだろう?」
「見えを張ってわかっているふりをしていたのかな?」

..さて、今回の例ではやはり、理解できていない可能性を質問相手に提示しなかったために、不要な失望や不要な努力を招くことになりました。
この問題を避けるためには、勇気を出して理解できていない単語を使ってみることが肝心なのです。

事前に「この辺りは理解しきれているか心配なので、間違っていたら教えてください」と一言添えておくと、質問相手としては、アドバイスがしやすい心理になるのでとても助かります。

そして使ったことのない単語を使用すてみることで、自分が勘違いした理解をしてないか、本当に正しく理解できているか、仕事の時間に&目上の人の時間を活用して確認することが出来ます。一人で勉強するだけでは得られないフィードバックを得られるのですから、実践しない手はありません。


さらにいえば、「あれ」や「これ」では情報の具体性に欠けが足りておらず、すれ違いの元となってしまいます。

「さっきそう言ったじゃないか!」
「いやそんなことは言ってません。あれはこういう意味だったんです」
「なぜそんな誤解を招くような言い方をしたんだ!」

など不毛なやり取りを招くリスクは最小限にスべきです。
情報は事実に基づいて具体的に、情報を不要に省略しないためにも指示語の利用は避けるよう意識しましょう。

情報を勝手に省略しない

上述の指示語にも関連することですが、質問する側が勝手に情報を省略してはいけません。

例えば、「彼はインフラのエキスパートだからこんな事実は言わなくてもわかっているだろう」と自分の未熟な定規で相手を測り、説明を省略してしまうことがあります。

しかし実際はあなたにとって《あたりまえの物事》であっても、上位者にとっては《ほとんどの場合はあたりまえだが、稀に例外のある物事》だったりします。

少し分かりづらいので例を出しましょう。
例えば、あなたが料理人として仕事をしているとして、パスタを茹でる際にシェフに

「どのくらい塩を入れましょうか?」

と訪ねたとしましょう。あなたにとってパスタは塩を入れて茹でるものであり、例外のない事実だったのです。
そしてシェフはこう返答するのです。

「あなたはなぜ塩を入れなければならないと思ったのですか?」

経験の少ないあなたにとって例外のない事実であっても、より経験豊富な上位者はもっと幅広い知識からその例外がある事実を認識しています。
自身の間違った経験を質問する論理に組み込んでしまうと、話があらぬ方向に向かってしまい、お互いすれ違ったまま話が進んでしまう可能性もあります。

まず自分が無知であることを自覚して、質問や説明をする際に余計な思い込みがないかよく考えてみる癖をつけるとよいでしょう。

質問をした後に

教えてもらったことや指示をその場で確認する

なにか質問をした際はその場で理解しきることを心がけましょう。

例えば、上司から新しい知識を教えてもらった後、何日かして同じ質問を繰り返してしまうと、上司は同じ説明の繰り返しに時間を割くことになってしまいます。上司はその対応のために都度作業を止めなければならず、それが何度も重なると教える側にストレスが溜まってしまいます。

質問者にストレスを与えてしまっては良い質問者とは言えません、それどころか、上司との関係が悪化して質問や指示が得られなくなることもあり得ます。

相手から指示や回答を得たときは、

  1. 内容をその場で反復する
  2. なぜ相手がその様な指示や回答をしたのか、「なぜ?」と繰り返して相手の論理を深掘りする
  3. マインドマップ等を利用して、得た情報を自分の今までの知識と紐づける

1.  はあなたの記憶をより強固にしてくれます

2. は最も重要で、「自分に理解しきれていない事がないか」、「相手の情報に間違いがないか」検証するために必要です。
「なぜ?」と深掘りしたときに、上位者の意図がわかりかねる場合は、すぐ「なぜこう考えたのか」相手に尋ねてみましょう。

生意気かもしれないと思う必要はありません。たとえ相手が上司であっても、指示が必ずしも正しいとは限りませんし、むしろ間違いを指摘してくれる部下は頼りになるものです。

また、この知識を深掘りすることで、与えられた10の知識を50にも100にも増幅する事ができます。
相手の想像を超える成長を見せつけるためにも、「なぜ?」の繰り返しは非常に大切です。

3. 知識をより安定して定着させるためには、マインドマップなどを利用すると効果的です。
今までに学んだ自分の知識と紐づけて、記憶の効率を上げると共に、広い知識の全体像をイメージしやすくなります。

自分が教える立場になったときのためにも、全体像をイメージしておくと良いでしょう。

マインドマップや他の記憶方法については下記の記事に簡単な紹介が載っています。

効率のよい暗記を目指す!右脳を使った暗記テクニック

 

貴重な時間を割いてくれた相手のために、学んだことはよく振り返って

  • 忘れない
  • 正しく理解する

を実現できるよう心がけましょう。

とにかく質問をしてみる

ここまで質問をする上でのタブーや、良い質問の仕方について紹介してきました。

ただ一つ注意してほしいのは、質問をしないことに比べると、ダメな質問でも質問する方が圧倒的に良いということ。
怒られたり時間を無駄に浪費したとしても、その経験をよく覚え学んで自分に蓄積すれば決して無駄ではありません。

ここまで記載した質問のコツを踏まえて、質問する経験を積んでいけば、あなたも質問上手な優秀なエンジニアになれるでしょう。

まとめ

最後にまとめです

悪い質問とは下記のようなものです。

  • 自分で事前に調査・考察をしていないもの
  • 何を答えればいいのかわからないもの
  • 事実を誤認して説明しているもの
  • 指示語が多いもの
  • 情報が省略されているもの

そして良い質問の条件とは

  • 最低限は自分で調べて置くこと
  • 最初に質問の目的を説明すること
  • 間違った情報を事実として伝えないこと
  • 指示後は使わないよう心がけること
  • 情報は省略しないこと
  • 質問後によく振り返ること

この6つのコツを使えば、あなたの質問は相手に勘違いさせない、答えやすいものになります。

やはりコミュニケーションは双方向のもの。
自分も聞きたいことが聞けて、相手も答えやすいものが最も円滑にいきます。

こうしたテクニックで1人でも多くのコミュニケーションにお悩みのエンジニアの方に役立てば幸いです!

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